私は今や80才

私は今や80才

今日のカンタータ

BWV71-2「私は今や80

 

バッハ最初期のカンタータ

初任地のブラウジス教会オルガニストに就職が決まり、結婚したばかりのバッハは
引越し準備中に町の大火が発生し、三つある教会の二つが燃えた。
2台の荷馬車を借りて引っ越し、その年のミュールハウゼン市の参事会議員の交替式が行われた。
大きな祝祭の合唱の後、2曲目に、本アリア「私は今や80才」がうたわれた。
旧約聖書のダビデ物語に、命を狙われて国境沿いに逃れた時期に、
集落のバルシライに助けられたダビデは、時を経てエルサレムて
王位を継ぐために帰還することになった。
この時、ダビデはバルシライに恩を返そうと「一緒にエルサレムで住もう」
と申し出た時ー

バルシライは「わたしは今や80才」、父と母の墓のそばで暮らしたいのです。
わたしのかわりに息子を」と丁重に断った。エピソードです。

バッハは着任早々、市の大火災の復興にとりかかり、任期をまっとうした高齢の議員が町のためにどんなに街のためにどんなに力を尽くしたか、そして次の人にバトンを渡す大事な交替式を祝福した。

のちに市当局はこの日の「神は我が王」の楽譜を200冊印刷、配布してこの日を記念し、溢れる感謝を表した。この楽譜は現存している。

私も今年2025年、80才の時を過ごす途中にあたり、
バルジライとミュールハウゼンの人たちと祝福を交わしたい。

 

 

 

 

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